無言館第二展示室~パノラマライン展望台

 9日の日曜日。昼食後当てもなく走った後、無言館へ向かった。第二展示室が出来たとちょっと前に新聞で読んだのを思い出したからだ。細い坂道を上がってゆくと右手にそれらしき建物が見えた。
 



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第二展示室は「傷ついた画布のドーム」と「オリーヴの読書館」からなっていた。無言館と同じようなコンクリート打ちっ放しの無機質な造りだが、「読書館」の裏手の方に回ると茶色い窓枠があって、それが全体の冷たいイメージをだいぶ救っている。中に入ろうと思ったが、入場料が1000円と知ってひるんでしまった。写真を撮るだけで我慢することにした。
 



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「第二展示室」の前にコンクリートのモニュメントがある。一見「ぬりかべ」のようだが、「絵筆の椅子(ベンチ)」という名前が付けられている(裏側に説明板が付いている)。なるほど異様に背もたれが高いが、ベンチと言えなくもない。
 



近寄ってよく見ると縦長のくぼみの中に絵筆がはめ込まれている。なるほど、それで「絵筆の椅子(ベンチ)」か。現役の画家や美術学校生が使った絵筆だそうである。右上の赤いペンキは「無言館」の慰霊碑にペンキがかけられた事件を「復元」したものだということである。また地面には「非戦の庭」というプレートが埋め込まれていた。
 



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無言館のある丘の斜面から見た前山の景色がまるで御伽噺の世界のようで実にきれいだった。信じられないほど美しい。ここは御伽の国。そう呼んでしまいたくなる様な景色だった。無言館のある丘からの眺めは以前から素晴らしいと思っていたが、秋の景色がこれほどすばらしいとは!
 



高いところから見下ろす景色はどんなところでもそれなりに素晴らしいものだが、これほど見事な風景は滅多にないだろう。実はこの後「パノラマライン展望台」まで上ったのだが、眺めの雄大さは「展望台」の方が勝るものの、美しさはこちらの方が上だと思った。恐らく高さが絶妙なのだろう。遠くまで見渡せるほど高いが、家々や木々の形が判別つかないほどは高くはない。山が迫っているので、どこか山に囲まれた隠れ里を覗き見る感覚を与える。それに紅葉がメリハリをつけている。理想的な俯瞰絵図だ。
 



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無言館の下にある山王山公園の木々もきれいに色づいていた。この公園から無言館と無言館第二展示場に上がってゆく道が整備され、無言館から信濃デッサン館、前山寺、さらには塩野神社あたりまで、ゆったりと散歩できるようになっている。山王山公園のすぐ横に「藤本珈琲」、すぐ下にレストラン「ジューンベリー」、すぐ向かいにミュージアム・ショップ「槐屋」と「信濃デッサン館別館 槐多庵」がある。無言館から山王山公園を通って信濃デッサン館・前山寺方面に向かうルートは実に楽しいコースだ。
 



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無言館第二展示場のすぐ横からパノラマライン展望台へ上がる道がある。前に一度前山寺横から上り始めて途中で疲れて引き返してきた因縁の場所。へたれゴブリンの汚名返上と二度目の挑戦。最後の上りがほぼ直線で、これがきつかった。へたりそうになったが、リベンジの赤い炎で何とか乗り切った。そこを上りきると後はゆるやかな下り道。少し進むと展望台が見えてきた。
 



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曇り空が恨めしいが、確かに眺めは雄大だった。塩田一帯が見下ろせる。手前の山が視界の多くを占めていて、塩田平はその向こうにうっすらと見える。同じ道を引き返して無言館の第二展示場横に戻った時はほっとした。



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